大豆田とわ子と三つの小石

Twitterで「オリンピック ボランティア」と検索すると、みずからボランティアに志願して、来るべきオリンピックを待ち望んでいる人たちが少なからず存在していることがわかる。もちろんボランティアに応募した人たちのなかにも、現在の状況を鑑みて葛藤を抱えている様子の人もいる。

どう考えたってオリンピックなどやっている場合じゃないように思えるけれど、理解し難いものも含めいろいろな人の考えかたを知りたくて、見知らぬ人のタイムラインを覗いてみる。

 

✳︎

 

それにしても「大豆田とわ子と三人の元夫」は毎週楽しみ。大豆田とわ子はMA deshabilleやMame Kurogouchiを部屋着にしている。うらやましいことこのうえない。

エンディングの試みも素晴らしくって、いまのところKID FRESINOのバージョンが一番好き。butajiが手がけた歌パートは、ふわふわした喜びにうかれる日やどうしようもない最低な日を飽きるほど積み重ねてきた地点からしか歌えないものになっていて、ミドルエイジ以降の人生を鮮やかに祝福している。

松たか子は美しい人だけど、年齢相応の外見をしていて、ことさら若く見せようともしてもいない(と思う)。入浴シーンで見せた二の腕は凛々しくたくましい。けれども若さや儚さ以外の、折れないしなやかな美しさがたしかにあることをその存在で示していて、そういう人が歌うからこそあの歌は輝いている。三人の元夫がいる人生は潔癖な純白ではないかもしれないけれど、混色でしかつくれない色彩がある。

坂元裕二の書く台詞は非常に的確であると思うものがたくさんある一方で、市川実日子演じる綿来かごめや「カルテット」で満島ひかりが演じた世吹すずめのように社会に馴染みきれない女性を描くときや、登場人物の「いっぷう変わった癖」のようなものを描くときの手つきに何か不自然さを感じる部分があるのだけど、その不自然さの正体はまだつかみきれていない。「花束みたいな恋をした」を観ながら感じていた靴の中に入った小石のような違和感とも通ずるものがあるかもしれない。

 

✳︎

 

ウーバーイーツでクアアイナのサンドウィッチを頼んだので、なんとなくクアアイナについて調べていたら、クアアイナは日本に30店舗もあるにもかかわらず、肝心のハワイには1店舗しかないのだそうだ。びっくり。

(ちなみにそのほかに、ロンドンに2店舗、台湾に2店舗ある)

クアアイナのオフィシャルサイトによると、1975年、テリー・トンプソンによってオアフ島のハレイワに1号店がつくられ、22年後の1997年、ホノルルに2号店がオープン、同じ年、東京の青山に日本第1号店がオープンしている。現在は、ピザーラなどで知られるフォーシーズが運営しているのだそうだ。

そうなってくると、クアアイナはもともとハワイでどれほどの知名度があったのだろうという疑念が湧いてくる。「ハワイ発の歴史あるハンバーガー店」という箔をつけるために、ハレイワのなんてことないハンバーガー屋を利用したのでは、と勘繰ってしまう。味は文句なくおいしいのだけど。当時をよく知る地元の人に聞いてみたいところだ。

 

✳︎

 

世界からの関心を惹こうとするあまりに何かを端的に断言するのは子どものやり口であって、そうした欲望が自分の中で耳鳴りのように響くのを感じたとしても、大人として断固その渦に呑み込まれない意志を持たねばならないと思う。